新宿駅は、都市のなかでも特異な通過点である。
無数の移動と滞留が繰り返されるこの場所には、日々の記憶や気配が堆積し、視覚には映らない「時間の層」を形成している。
本作《あとさきの地層|Shinjuku Layers》は、新宿という都市において、風景がいかに記録され、あるいは忘却されていくのかを探る試みである。
西口・東口・南口という三つの方角を起点に、都市の表面に現れる建築や看板、広告といった断片を採集し、
そこに刻まれた時間の痕跡を、かたちとしてすくい上げた。
それらは、記憶の破片であると同時に、都市がアーカイブされる/されずにこぼれ落ちていく、その境界にあるものでもある。
都市とは、過去と未来、記憶と想像が交錯する場である。
不動産という“これからの土地”と向き合う場所に展示される本作は、風景の「のこしかた」をそっと問いかけながら、
都市に潜在する時間の気配を浮かび上がらせることを試みている。
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